軽自動車の鉄板はペラペラである。
軽自動車に乗り換えるか、それともコンパクトカーに乗るかで迷うときに、鉄板の薄さを気にされる人が多いです。
普通車と比べても車体が壊れやすく、衝突時の安全性は劣るというイメージを持っている人が多くいるのは実感としてもあります。
あながちこうした認識は間違っておらず、あくまで外側を覆っている鉄板部分は非常に薄くできています。悪く言えば本当にペラペラで、手で押すと凹むようなものまで。鉄板に限らず、バンパーなども普通車と比べるとはるかに薄くできています。
このため、他の車との接触事故や、障害物との接触が起きると、ありえないほど大きく損傷してしまうことはよくあります。
写真は2トンクラスの小型のトラックが、急な車線変更をしてきた時に、軽く後部が当たったもの。相手がトラックと言っても小型で、こちらも走行には全く問題ないレベルでしたがフェンダー部分が大きく凹んでしまって複数のパーツの交換を余儀なくされました。
ただ、軽自動車の鉄板はペラペラで紙みたいだから、安全性そのものが低いというものでもありません。
外側はペラペラでも車内は頑丈という設計
軽自動車に限らずですが、普通車においてもほとんどの車は外観部分は損傷しやすくできています。あえて柔らかく作られているのです。
これは歩行者衝突安全性が重視されるようになってから変わってきました。
人にぶつかった時に、角ばった硬い車ボディが当たればケガも大きくなります。しかし車も柔らかければ衝撃が緩和され、人を跳ねてしまったときのダメージを軽減するという考えです。
さらに車に乗っている人の安全性も変わってきています。
必ずしも車は頑丈であればあるほど良いものではなく、頑丈すぎると衝撃の逃げ場がなくなるため、乗っている人に対して大きなダメージを伝えてしまうことがあります。
車の外側部分はあえて潰れやすくできていることで、強い衝撃を受け止めて吸収します。このため衝突のエネルギーが吸収されて低減されるため、衝撃は内部には伝わりにくくなります。
一方で人が乗るスペースは非常に頑丈にできており、ちょっとやそっとでは変形しないように鉄格子のようにに作られています。これはペラペラボディの軽自動車でも同じであって、少なくとも普通車と同じように一般公道を走る上での安全性は十分に保たれていると考えるべきなのです。
外見の鉄板が薄いから、事故した時の安全性も低い….という認識は、今の車では当てはまらないのです。