タイヤの交換に関する話題。先日友人から、このような相談をされました。
まるで、ディーラーが売り上げのために替えなくていいものを提案してきてるのではないか?ともいうような疑いを持っていました。
タイヤの交換は溝が減ったらするものと思われていますが、溝以外にも交換の目安となる指標があり、安全性のために替えた方が良いケースはあります。
溝があってもタイヤを替えた方が良い理由
一般に車のタイヤはすり減って溝がなくなり、スリップサインが出てきたら交換の目安とされます。タイヤの溝は雨の水を排水する役割も持ち、路面に食らいつく力が弱くなるためスリップの危険が高まるためです。
タイヤは走行中にどんどんすり減っていきます。しかし、普段あまり車に乗らない人や、乗ってもちょい乗りが多くて距離を走らない人は、タイヤが全然減りません。5年近く乗っているのに、溝はまだ十分にあって一見すると走行には支障がない場合もあります。
それでも交換をすすめられる理由は、タイヤのゴムが経年劣化して硬化してしまい、ひび割れを起こしているような場合です。
新しいうちは指で押せば凹む弾力がありますが、劣化したタイヤは石のようにカッチカチになります。
ひび割れがまだ小さなうちは大丈夫ですが、さらに劣化が進行してくると、大きく亀裂が入ったように割れてくることがあります。
すると最悪はゴムが剥がれ落ちてしまい、タイヤを形成しているワイヤーがむき出しになって、そのままバースト(破裂)してしまう危険性があるのです。
溝が十分にあったとしても、ゴムそのものが剥がれ落ちては意味がありません。
こうした劣化タイヤで気をつけなければいけないのは、普段街乗りしかしないのに、たまに高速道路で遠出する場合。
高速道路でスピードが上がると、タイヤは大きくたわみます。一般道のチョイノリでは問題なくても、高速を走った途端にタイヤが限界を迎え、ゴムが一気に割れてしまう可能性があるのです。
タイヤの経年劣化の目安は?
タイヤの劣化はおおよそ3年ほどで露呈し始め、5年も経過すると表面は細かなヒビだらけになってきます。
環境にもよりますが、車庫で保管するよりも、野ざらしで駐車しているような場合は特に劣化しやすい(ゴムは紫外線や湿度変化で収縮してしまう)ため注意が必要。
距離が少なくてタイヤの溝はあるから大丈夫!とは限らないということです。
車検そのものは溝だけあれば問題ない
定期的に検査しなければいけない車検整備。車検ではタイヤの安全性も検査項目に入っています。ツルツルにすり減ったタイヤでは検査に合格できず、交換しなければいけない場合もあります。
ただ、よほどゴムが剥離しているような場合を除き、車検の場合には溝が残っているかどうか?しか見られないので、タイヤが硬化して経年劣化しているかどうかまで指摘されません。車検だけとりあえず通そうと思えば、溝さえクリアできれば乗り続けることはできます。
あまりお金をかけたくないという場合もありますが、車の安全性の最も基本となるのは、直接道路に接している4本のタイヤが全てです。
国産タイヤだからと過信せずに、ひび割れがひどくなってきた段階で早めに交換することをおすすめします。