雨の日に車を走らせていると、発進するときにエンジン周辺からキュルキュルーっと大きな音が聞こえてくる。
街中を歩いていると気になった人も多いのではないでしょうか。やたらとキュルキュルーーーーとも、ギャギャギャッともとれる威勢のいい音を立てて発進していく車って見たことないですか。
この音の正体は、エンジンと一緒に駆動している補記類を動かすための「ベルト」が空回りして鳴っている音です。
ファンベルトと呼ばれる部品で、エアコン、発電機、冷却水の潤滑ポンプなどを、エンジンの回転力を借りる形で回しています。
ベルトが小さく滑りやすい軽自動車で起こりやすく、雨などの湿度が高い状態ではよく滑るため大きな音が鳴ります。
エンジンにかかっているベルトですから、回転力は相当なもの。特に発進の時は大きな力を必要として回転力が強いので、発進のタイミングでキュルキュルと滑り音が鳴りやすいのです。
応急処置はベルトの鳴き止めスプレーで可能
ベルトがキュルキュル鳴りだした時の応急処置としては、ベルトの鳴き止めスプレーというものを使う方法があります。
シリコンなどの潤滑スプレーとは異なり、ベルトの表面に粘度を取り戻して、滑りを防止するという性質のもの。
あくまでも軽くシュッとスプレーしていくのがポイント。付けすぎても効果はあまり変わりません。
ベルトが切れる前に早めの交換を!切れるとヤバイ
応急的な処置は鳴き止めスプレーでも可能ですが、音が鳴るようになった時点で早めに交換をしたほうが良い部品です。
ファンベルトは車の走行に必要な補記類を動かしていますので、もし切れてしまうと車そのものの走行が困難です。
消耗品であり、概ね5年ほどでゴム表面にひび割れや亀裂などが入ってきます。
交換費用の目安は、ベルト代が5,000円から1万円程。交換工事費が6,000円から1万円程で、決して安いものではないですが、交換優先度の高い消耗品です。
補足:ファンベルトは女性用のストッキングで代用できる??
昔は女性用のストッキングを結んで輪っか状態にして、ベルト代わりに使うことで応急的に走れると言われていました。引っ張る分には切れにくく、柔軟性があって摩擦力もあるため、ファンベルトの代わりが効くと評されています。
しかし近年の車はベルトの形状が複雑で、多数の補記類に掛けられていることが多いです。ストッキングでどこまで代用できるかは疑問点があります。
エンジンルームそのものも昔の車よりも部品が多くなり、カバーを被っていたりしてそもそも安易に手が入らないため応急処置が不可能になってきています。
車に詳しい人は知識として持っておくといいとは思いますが、個人的には正直現実的ではなく、JAFや任意保険のロードサービスに加入をしておいて、緊急時には助けてもらうようにしたほうが精神的にも楽に車に乗れると思います。